内窓の選び方は?窓ガラスの種類で変わる効果や注意点を紹介
窓のリフォーム方法として注目されているのが「内窓」です。これを取り付けることで、部屋の断熱性や気密性が向上し、より快適な住環境を作ることができます。また、選ぶ窓ガラスの種類によって得られる効果が異なるため、適切なガラスを選ぶことも重要です。
この記事では、二重窓の設置によるメリットや、ガラスの種類とその特徴について詳しく紹介します。リフォームを検討している方は、ぜひ参考にしてください。
内窓とは
内窓は、既存の窓に追加で設置するタイプのもので、「二重サッシ」や「インナーサッシ」とも呼ばれることがあります。これを取り付けることで、断熱性や防音性が向上し、結露を防ぐ効果も期待できます。
具体的には、外の冷たい空気や熱を遮り、室内の温度変化を抑えることで、季節を問わず快適な環境を保つことが可能です。また、外からの騒音を大幅に減らすことで、より静かな空間で過ごせるようになります。快適さと実用性を兼ね備えたリフォーム方法として注目されています。
内窓のメリット
内窓を取り付けると、窓が2重になるため「開け閉めや掃除が大変になる」と感じる方もいるかもしれません。しかし、断熱や防音の面で得られるメリットは非常に大きいため、断熱リフォームを検討されている方におすすめしています。設置することで得られる主なメリットは以下の3つです。
断熱効果の向上
内窓を取り付けると、既存の窓との間に空気の層ができ、熱の移動が抑えられます。その結果、部屋全体の断熱性能が高まり、暖房や冷房の効率が良くなることも。
結露の防止
熱が移動しにくくなることで、結露の原因を減らします。冬場でも窓まわりが濡れにくくなり、掃除の手間も軽減されます。
防音効果の向上
空気の層が音の伝わりを抑えるため、騒音を大幅に軽減することが可能です。防音ガラスに近い効果が期待でき、静かな環境を作るのに役立ちます。内窓は快適な住環境を実現するための有効なリフォーム手段です。
内窓に使用するガラスの種類と特徴
二重窓は、断熱、防音、そして結露を抑えるといった基本的な性能を備えています。それに加えて、「さらに暖かさを保ちたい」「静かな環境を作りたい」「外からの視線を遮りたい」といった希望に応じて、選ぶガラスの種類を工夫することで、効果をより高めることができます。ここでは一般的に内窓に使用するガラスの種類と主な特徴を紹介します。
一枚ガラス(単板ガラス) ―費用を抑えたい方向けー
一枚ガラスは、内窓で一般的に使われるシンプルなタイプです。しかし、ガラスそのものに特別な機能はなく、断熱や防犯、結露防止といった目的では効果が限定的です。そのため、予算を優先したい場合やコストを抑えたい方に適しています。一方で、断熱性や遮熱性をさらに高めたい場合は、複数のガラスを組み合わせたタイプを選ぶと、より高い効果が期待できます。リフォームの目的や予算に応じて、最適なガラスを選ぶことが大切です。
複層ガラス(ペアガラス) ―費用を抑えて断熱性を高めたい方向けー
複層ガラス(ペアガラス)は、2枚のガラスの間に空気層がある構造になっています。この空気層によって断熱効果が高まり、内窓を取り付けると、既存の窓との間にも空気層ができるため、二重の空気層でさらに断熱性能が向上します。ただし、複層ガラスは防音効果があまり高くないため、防音を主な目的として設置する場合には、別のガラスを検討する方が良い場合もあるでしょう。目的に合った選択が重要です。
遮熱型Low-E複層ガラス ー日射対策をしたい方向けー
遮熱型Low-E複層ガラスは、2枚のガラスで構成された複層ガラスの中でも、特に遮熱効果に優れたタイプです。外側のガラスに特殊な金属膜が施されており、太陽の熱を大幅に遮断します。そのため、日差しの熱が室内に入りにくくなり、家具やカーペットが紫外線で色あせるのを防ぐこともできます。また、複層ガラスの特徴である高い断熱性により、室内の冷暖気が外に逃げにくくなり、夏も冬も快適な空間を保つことができるのです。
断熱型Low-E複層ガラス ―断熱性を高めたい方向けー
断熱型Low-E複層ガラスは、複層ガラスの中でも断熱性が高いタイプです。2枚のガラスのうち室内側に特殊な金属膜が施されており、部屋の熱を外に逃がしにくくする働きがあります。この効果により冷暖房の効率が良くなり、電気代を節約することも可能です。また、遮熱型と比べて日差しを通しやすい特性があるため、冬の日中には太陽の熱を取り込み、部屋を温めるのに役立ちます。快適さと省エネを両立したガラスです。
合わせガラス ー防犯・防音を重視したい方向けー
合わせガラスは、2枚のガラスの間に「中間膜」と呼ばれる素材を挟んで作られています。この中間膜には防犯や防音といった機能があり、用途に応じて選ぶことができます。そのため、防犯性や防音性を高めたい場合には適した選択肢と言えるでしょう。ただし、構造が単板ガラスに近いため、断熱効果はあまり高くありません。もし、断熱や遮熱を重視したい場合は、複層ガラスを選ぶ方が効果的となります。用途に合わせて選択することが大切です。
真空ガラス ー断熱・結露防止・防音を求める方向けー
真空ガラスは、2枚のガラスの間に「真空層」を作ることで、熱や音を伝えにくくした構造です。この特性により、断熱性や結露の抑制、防音効果が期待できるため、これらを目的に設置する場合に適しています。特に、防音を重視した窓を設置する場合には、「真空層」がさらなる効果を発揮します。また、一般的な複層ガラスと比べて中間層が薄いため、見た目がすっきりして圧迫感が少ないのも大きなメリットです。断熱、防音、結露対策を兼ね備えた選択肢としておすすめです。
内窓を設置する時の注意点
内窓を選ぶときには、快適な住環境とエネルギーの効率的な利用を実現するために、いくつかのポイントを確認しておくことが大切となります。選択を間違えると期待する効果が得られないこともあるため、注意点をしっかり理解しておきましょう。
内窓が設置できない場所がある
冒頭でお伝えした通り、内窓は「既存の窓の内側に新たに窓を取り付けるもの」です。ただし、設置スペースが確保できるか、開閉動作に支障が出ないかなどを事前に検討し、業者に相談することが大切です。
設置する際に注意したい具体例をいくつか挙げます。
窓枠幅が狭い場合
内窓のレール部分で段差が生じ、そこにゴミが溜まりやすくなることがあります。
カーテンボックスがある場合
カーテンレールが干渉することがあり、設置が難しいケースも見られます。
開き窓や上げ下げ式の場合
これらの窓では、開閉が難しくなる場合が多く、設置自体が難しいことも。
内窓の扱いが“共用部分”になっていないか
マンションで内窓を設置する場合、多くは個人が所有する「専有部分」として扱われますが、管理規約によっては「共用部分」とされることもあります。その場合、所有者だけの判断でリフォームすることができない場合があるため、事前に管理組合などに確認を取ることが大切です。これにより、トラブルを防ぎ、安心して工事を進めることができます。
既存の窓のサイズと適合するか
内窓を設置する前には、既存のサイズを正確に測ることが大切です。選んだ製品のサイズが合わないと、期待していた断熱や防音効果を十分に得られない可能性があります。また、不適切なサイズを無理に取り付けると、窓枠が傷ついたり、開閉がスムーズにできなくなることもあるのです。そのため、購入前には専門の業者に依頼して正確な測定を行うことをおすすめします。正確な準備が、快適な仕上がりにつながります。
まとめ
内窓は、広く知られるリフォームの方法の一つですが、選ぶガラスによって得られる効果が変わります。断熱性や防音性など、重視するポイントによって最適なガラスの種類が異なるため、目的に合った選択をすることが大切です。窓リフォームを成功させるためには、リフォームの目的を明確にし、それを業者にしっかり伝えることが重要です。適切な選択で、満足のいく仕上がりを目指しましょう。