意外とコスパ良し!オーダーメードスーツでワンランク上のビジネスマンになる
見た目の印象が大切なビジネスマンにとって、体にしっかりとフィットしたスーツは、見た目の印象を上げるための強力な武器です。そこで一度はチャレンジしてみたいのが、この世でオンリーワンの自分だけのスーツが手に入れられる「オーダーメードスーツ」です。
しかし実際に作るとなると、値段は? 納期までの期間は? そもそもどこに頼めばいい?と、疑問はつきません。
そこで今回は、オーダーメイドスーツができるまでの過程や、お店の選び方のポイントを詳しく解説します。
オーダーメードスーツには3つの種類がある
オーダーメードスーツには、概ね自分の体のサイズに合ったゲージ(見本)スーツを着用し、そこからより体にフィットするようにサイズ調整を行う「パターンオーダー」、生地選びはできるものの、型紙は既存のものの中から自分の体型に合ったものを使用し、それを基本としてサイズやデザイン調整を行う「イージーオーダー」、生地選びから始まり、型紙まですべてオリジナルで作成する「フルオーダー」の3種類があります。
このうち最も値段が安いのはパターンオーダーで、2〜5万円程度で仕立てられます。イージーオーダーやフルオーダーの場合、どんな生地を選ぶかによって値段は変化しますが、目安としてはイージーオーダーの場合には5〜10万円、フルオーダーの場合には最低20万円以上になります。
この中で今回は、フルオーダーに焦点を当てて解説していきます。
フルオーダースーツを仕立てるメリット・デメリット
フルオーダースーツを仕立てるメリットは、なんといってもフィット感の良さにあります。サイズはミリ単位までこだわり、さらに数字だけでは表現できない骨格や体型の細かい違いなどまで考慮して好みのデザインのスーツを仕立ててくれます。
さらに生地だけではなくボタンといった部品まで自由に選択できるので、まさにこの世でひとつだけの、自分のためだけの一着を仕立てることができます。
一方デメリットとしては、オンリーワンであるがゆえに完成までに1か月半から2か月程度かかる点などが挙げられます。
フルオーダースーツができるまでの流れ
通常オーダーメードスーツが完成するまでには、注文・仮縫い・納品と、3回ほど店に足を運ぶ必要があります。そこでそれぞれのステップで、どんな作業があるのかを細かく解説します。
ステップ1 注文までの流れ(1回目の来店)
■カウンセリング
1回目の来店の際、一般的にはオーダー前にカウンセリングが行われます。この時に自分の職業や役職、どんなシーンで着用するスーツを求めているのか、デザインや素材の好み、現在着ているスーツに対する悩みや不満な点、そして予算などを具体的にスタイリストに伝えます。
■生地選び
カウンセリングの上発注を決定したら、まずは生地を選びます。実際にスーツを仕立てる生地の反物を確認しながら選ぶことが多いですが、「バンチブック」と呼ばれる生地見本を見せてもらい、その中から決めることも可能です。
生地選びの際には、実際に触れて素材感を確かめたり、自分の肌色に合わせてみる、シワのつきやすさを確認するなど、納得できるまでチェックして構いません。
■デザイン選び
生地が決まったら、次にデザインを選択します。この時に決めるのはシングルかダブルかといった全体的なシルエットだけではなく、襟の形、ボタンの数やどんなボタンにするのか、ポケットの仕様、ステッチの種類、裏地など、かなり細部のデザインまで詰めていきます。
生地やデザイン選びにとことんこだわれるこの作業は、まさにオーダーメードスーツ作りの醍醐味といえます。
■採寸
デザインが決まったら、次に採寸をおこないます。採寸の際には、一般的には次のような部分のサイズを測りますが、店によってはさらに細部まで採寸を行う場合があります。
・首回り:喉仏の下を起点に首一周分
・着丈:首の付け根の出っ張った骨からヒップと太ももの境目まで
・肩幅:肩と腕の境目の部分にある少し出っ張った左右の骨の間
・袖丈:肩幅採寸の起点となる骨から腕を自然におろした状態でくるぶしの下まで
・手首:くるぶしの上から手首1周分
・二の腕:二の腕の1番太い部分の周囲
・チェスト(胸囲):脇下から胸周りまたは最も胸囲が発達している部分の1周分
・胴回り:おへそのすぐ上または最もお腹が出ている部分1周分
・パンツウェスト:ベルト部分のすぐ上の部分1周分
・ヒップ:お尻で1番厚みがある部分1周分
・太もも:太ももの一番太い部分1周分
・股上:ベルトのバックルの下の部分から、パンツの股下で縫い目がクロスしている部分まで(前の股上)とベルトのバックルの正反対の部分から同じい部位まで(後ろ股上)
・パンツ丈:ベルトの上の部分から足の側面通してメジャーを垂直に床まで下ろした長さ
採寸の際にはデザインや個人のフィット感の好みに応じて微調整を行うため、採寸中にパンツ丈の長さや肩幅のフィット感など、積極的に自分の好みを伝えるようにします。
そして採寸の際にはできればスーツを着用し、革靴を履いていくと便利です。
ステップ2 フィッティング(2回目の来店)
フィッティングとは、しつけ糸で仮留めされた仮縫い状態のジャケットを着て、補正を行う作業です。ここで最終的なサイズやデザインが決定するので、しっかり要望を伝えるようにします。
ステップ3 納品(3回目の来店)
試着の上、着心地やデザインに問題がなければいよいよオーダースーツの完成です。
最近では忙しいビジネスマンに考慮し、銀座・英國屋が提供している「1dayオーダーサービス」のように、初めての来店時に店に用意された仮縫い状態の服でフィッティングまで行い、納品は郵送にすることで来店は1回、さらに納期も短縮されるシステムを導入している店もあります。
注文前に知っておきたい2つのポイント
実際にフルオーダースーツを注文する際には、紹介したように店でのカウンセリングがあるため、スーツに対する知識がなくても心配は不要です。
ただし、次の2つのポイントを抑えておけば、さらに満足度が高いフルオーダースーツを仕立てることができます。
ポイント1 どんなシーンで着用するのか目的を明確に
スーツは、シーンに合わせた着こなしが求められます。同じビジネス用のスーツでも、社風や内勤か外勤か、日常の作業着なのか、プレゼンテーションなど、重要なビジネスシーンで着る目的なのか、そして海外を含む出張の有無などにより相応しいデザインは異なります。そのためスーツを仕立てる前には、どんなシーンで着用したいのかをある程度明確にしておきましょう。
ポイント2 予算を決めておく
自由に素材やデザインを選べるフルオーダースーツの値段は、まさにピンからキリまでかなり幅があります。そこでオーダーする前には「予算は◯◯万円まで」とあらかじめ明示しておくと、スタイリストもお勧めの素材を示しやすくなります。
フルオーダーメードスーツの店選びのポイントとは
最後に、フルオーダースーツの仕立てを依頼する際、どんな基準で店選びをすればいいのか店選びの際に大切な2つのポイントを紹介します。
■カウンセリングに満足できるか
カウンセリングは、自分の要望や予算を伝える大切な場です。さらにはスーツに関する知識が十分ではない場合、経験豊富なスタイリストにアドバイスをもらえる貴重な場でもあります。
フルオーダースーツの仕立ては、まさにテーラーと客との2人3脚の共同作業です。そのためカウンセリングの場でスタイリストとの相性を見極めることもテーラー選びの重要なポイントになります。
■アフターサポートをチェック!
フルオーダースーツの場合、仕立て上がりから1か月以内であればサイズのお直し無料など、アフターサポートのサービスを提供している店があります。
納品の際の試着では気づかなかったけれど、実際に日常生活の中で着ていたら不具合を感じる部分が出てきたといったケースも多いので、アフターサポートの有無はチェックしておきましょう。
フルオーダースーツは長い目で見ればコスパの良い買い物
少し使い古された言葉ですが、スーツはビジネスマンにとっての戦闘服だといわれます。素材や仕立てが良く、体にフィットしたスーツを着ることは、ビジネスシーンおいてはそれだけで大きな武器となります。
さらには良い素材の生地を使えば長持ちするので、フルオーダースーツは長い目で見れば決して高い買い物ではありません。ぜひ1度チャレンジして、その着心地の良さを確かめてみてはいかがですか?